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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年7月のニュース一覧
▼[2001.07.31]1秒の悪夢
▼[2001.07.30]オンライン音楽がしてあげられること
▼[2001.07.28]隣の芝生
▼[2001.07.27]殺すなんてもったいなぃ
▼[2001.07.26]サーカムのポイント
▼[2001.07.25]負け戦の翌朝
▼[2001.07.24]明日来る悪魔
▼[2001.07.23]フタの下のもの
▼[2001.07.21]天への道筋
▼[2001.07.20]舞台はパリへ
▼[2001.07.18]Big Appleは燃えているか
▼[2001.07.17]選択の基準なき選択
▼[2001.07.16]真夏の嵐
▼[2001.07.14]愛の無い賽の投げ方
▼[2001.07.13]noble et ambiento
▼[2001.07.12]携帯なんてもぉ要らない
▼[2001.07.11]シンデレラが舞台を降りて
▼[2001.07.10]安値のココロ
▼[2001.07.09]「存在」すべきワイヤードへ,未来へ
▼[2001.07.08]ボタン掛け違いのままエキスポ
▼[2001.07.06]僕のナレッジナビゲーター
▼[2001.07.05]絵心,人心
▼[2001.07.04]先生,質問です
▼[2001.07.03]音楽の嫌な臭い取ります
▼[2001.07.02]命あるソフト
▼[2001.07.01]想い出の風景

■2001年8月のニュース一覧
■2001年6月のニュース一覧


 
[2001.07.31]
  1秒の悪夢


 ▼ハッカー集団Hell、一分間で679サイトを攻撃(Net Security)
  https://www.netsecurity.ne.jp/article/2/2527.html


 とてつもないスピードで時が過ぎていくワイヤードだが,その1秒でできることは多い。無限の1秒に無限の悪夢が詰め込まれてもいる。

 ハッカー集団のワールド・オブ・ヘル(WoH)が12日,わずか1分間で679のウェブサイトを改竄した。これはウインドウズ2000のウェブプリントプロトコルの脆弱性を利用したツールを使用しているときに,アクセス権限が入手されたようだ。プロバイダーは1台のサーバーで多数のウェブサイトを保存していた。

 WoHは,先月も州政府機関に大規模な攻撃を行い,「ウインドウズを使うなユニックスを使えゴラァ」とメッセージを残していた。30万台ほどが感染していると云われるワーム「コード・レッド」(過去記事)もそうだが,あんまりにも毎日セキュリティーホームがみつかっても,毎日穴埋めばかりしているわけにもいかず,ウインドウズサーバーを使うには根気と努力がいるんですね大変ですね,という感じ。

 テレビでもみていたかのようにおぼえている悪夢だが,そんなにゆっくりまったりとみているわけではなく,カメラのフラッシュのように,脳に一瞬に焼き付けられたもののように感じる。本当に恐怖心を感じたら起きてしまうわけだし。DDosのように,時限爆弾のように,そのときがきたら一瞬で発動する悪夢もある。気付いたときには,もう世界が終わっていた,なんてこともあるかもしれないんだ。




 
[2001.07.30]
  オンライン音楽がしてあげられること


 ▼新音楽配信サービスは消費者の望む機能を提供しない〜米調査(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0724/jupm.htm


 彼女のために,オンライン音楽がしてあげられること。

 ジュピター・メディア・マトリックス社のレポートによると,年内にも始められるデジタル音楽配信サービスは,高音質なサービスとはなるが,消費者を長期的に維持する必要な機能を提供しないと指摘している。消費者が望む機能は,「ダウンロードした楽曲の複製機能」「あらゆる再生機器で視聴できる機能」など。

 「あたしは,音楽に救われました。なにも考えずに家を飛び出し,頼るべき人もなく,ただあてもなく環状線の電車に乗っているしかなかったあの日。バッグの中にあったウォークマンだけが,ずっと側にいてくれた。辛さも寂しさも,感じずにすんだ。私が生きていられるのは,今思うと,そのおかげだったのかも,と」。

 「あたしは,音楽に救われました。家にはお父さんもお母さんもいなくって,だだっ広い家は,雨風をしのぐだけで,決してあたしには『家』じゃなかった。でも,私には小さなころにお父さんからもらった小さなラジカセがあって,きっと寂しかった私は,すべての部屋に音楽が鳴るものを置いて,どの部屋に行っても音楽があるようにしていた。せめてそうすることでしか,私は自分の居場所をみつけられなかったのかもしれないけど,そのなかで私は自分のたったひとつの場所をみつけられた」。………さて,オンライン音楽が,彼女のためにしてあげられることとは?




 
[2001.07.28]
  隣の芝生


 ▼アップルがHyperTransportコンソーシアムに参加(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0107/26/01072606.html


 隣の芝生は,青さも枯れているのもよくわかるもの?

 アップル社は,AMD社の提唱する相互接続技術のハイパートランスポート・テクノロジー・コンソーシアムに参加した。現時点では,アップルがハイパートランスポートをなにに使用するのか不明だが,マックOS Xのサーバ市場への参入を促すとの推測もある。また,AGPのように,マッキントッシュのPowerPCチップへの搭載も推測される。

 ハイパートランスポートは,コンピューター内部のチップ間などのデータ転送ラインとなる。現在一般的に使われているPCIバスは266MB/秒という速度なのに対して,ハイパートランスポートは6.4GB/秒を保つこともでき,さらに高速化も可能だという。プラグ&プレイも可能で,デイジーチェーンでUSBのように機器を繋いでいくことができる。AMDは,この技術をPCIバスやプロセッサ・バス,メモリ・バス,グラフィックのためのAGP,ハードディスクのためのATAなどにも利用して,パソコン内部の簡略化,低価格化なども進めたいとしている。これが全面的に採用されれば,ある意味,革新となる。今回の記事は,それにアップルも乗った,と考えてよさそうだ。

 アップルは,なかなか予想外にAGPを採用したり,この前の新しいG4ではUSB2の採用への準備もチップ的にしているようで,ハイパートランスポートへの参加も,興味深い動向。ハイパートランスポートは,インテルのハブ・リンク技術とぶつかる仕様とも云えるので,PCメーカーはどっちをとったらいいものやらと思案している。アップルは基本的にはそれらのメーカーと同じような悩みはなく,先導役となることもできる。もしかしてPowerPCチップの生産のサポートとして,AMDの名前もあがるかも? まぁたとえ隣の芝生の青さでも,取り入れられるものは貪欲にもらわなくちゃね。




 
[2001.07.27]
  殺すなんてもったいなぃ


 ▼ウイルス作者には死刑しかない(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0107/24/e_coursey.html


 なにか利益が得られるわけでもなし,あると云えば小規模なアングラのなかで尊敬されることぐらいだろうに。そんな無駄なことに労力を使うあなたにリスペクト(^_^)。殺すなんてもったいなぃ。

 サーカムのようなウイルスを作った作者は,発見次第殺したほうがいい。ウイルスのために失った時間と労力などを考えると,それをばらまくことがかなりの重罪ということがわかる。意味のない犯罪行為であり,捕まえたウイルス作者を生かしておく理由などみつからない。

 この記事はある意味では刺激的であるので,意見も多く寄せられたようで追加の記事も出ている(ZDNet Newsの記事)。まぁ多くの添付ファイル付きのメールに悩まされていることに同情はしたいがそれだけ。話としては,掲示板にマルチポストしてる奴も死刑,スパムメールを送りまくっている奴も死刑,と,ただ短絡的な話に終始する。追記記事にあるMSをやり玉にあげる方法もなにを今さらと云う感じ。マクロウイルスやアウトルックを利用するウイルスのときは,MSはウイルスの最大の貢献者だったが,サーカムへの非難をMSと結びつけるのはいまいちだ。サーカムをMSのせいにしたら,すべてのソフトウェアは動かなくなる。

 私はと云えばやっぱりサーカム(過去記事)は面白くて笑いが止まらない。これほどいくつもの巧妙な仕掛けをてんこ盛りに持ち,コード的にもすごく洗練されていて,なのにやるこっちゃウイルス的所作とワーム的所作だけというそのお馬鹿さ加減は特筆ものだ。その作者にはかなりリスペクトなわけで,殺しちゃうなんてもったいない。サーカムのバージョンアップなりなんなりやってもらいたいわけで,まぁそうヒステリーでもの書いてんぢゃないよコーゼイ,という感じ。




 
[2001.07.26]
  サーカムのポイント


 ▼『SirCam』ワームに関するよくある質問と回答(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010725-3.html


 なにはともあれ,ニラネギと卵仕立てのポークの作り方を知りたいと真摯に思う今日この頃(ぃゃ,いつも通りまか〜は高見の見物なのですが…)。

 「サーカム」ワームに関する内容をまとめた。サーカムは,ワーム的な特徴とウイルス的な特徴を備え持った悪質なプログラム。コンピューター上のファイルをメールに添付して送信し,拡散する。いまのところサーカムの作者には,なんの処置もとられない公算が高い。

 ツールで作ったような厨房ウイルスと違って,とことん面白く興味深い。これまでのワームの所作からかけ離れた部分がたくさんみられる。まずハードディスク内のワードファイル,ZIP圧縮ファイル,JPEG画像ファイルをランダムに取り出して,それをウイルスに仕立て上げ,送信する点。あ〜人にみせたくないファイルってあるもんですからね,で,きっとそういうのに限ってランダムに取り出されるわけで…。ZDNet Newsの記事にサーカムによってどんなファイルが送られてきたかが書かれていて,「Pork with Leeks and Egg(ニラネギと卵仕立てのポーク)」というのが笑える(^_^)。そんなファイルがウイルスだとは思わんわなぁ。

 送信するメールアドレスも,アドレス帳に登録されているものだけでなく,ブラウザのキャッシュファイルの中のHTMLに記述されているメールアドレスを抽出するのもすごい。そしてアウトルックの機能を使うのではなく,独自のメール送信(SMTP)エンジンを利用して送信する。そのためメールソフトの送信リストにも残らない。さらに,メールだけでなく,ネットワークで繋がっているマシンにどんどこ自動感染していくようで,会社内で1つのマシンが感染したら全部のマシンに感染するのは時間の問題。もちろん不謹慎なのは承知してますが,おっもしろいなぁぁぁ。




 
[2001.07.25]
  負け戦の翌朝


 ▼マックワールドで飛び交う噂や神話の真相(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20010723104.html


 負け戦の翌朝にすがすがしさなどない。苦恨と,また来るかもしれない災禍に怯えるだけだ。

 マックワールドエキスポ/ニューヨークは盛り上がりに欠けるものになったが,アップル社のスティーブ・ジョブズCEOの噂話は多くきかれた。ビル・ゲイツ氏がジョブズの基調講演の秘密ゲストとして来る予定だったが結局来なかったとか,ジョブズが今回のエキスポは全然ダメだと認めたとか。基調講演後に「滅茶苦茶だ」とわめいた声は多くの記者が聞いたという。その後,新iMacの準備について嘆いていたとか。

 さて,ニューヨークは燃えていたか(過去記事)と訊かれれば,燃え尽きてなにも残っていません,もぉ焼け野原でしたという感じのエキスポだったわけで(^_^;,アップルにとってはほぼ負け戦。勝てば官軍だが,その状態ではなにを云われても仕方ない。に,しても記事中の噂話は面白すぎ(^_^)。

 「滅茶苦茶だ」とわめいた声は,現実に聞こえてくるようだし,DVDプレイヤーのクラッシュやデジカメ投げつけ騒ぎも,怒りが手に取るようにわかってこっちがドキドキ。逆の意味で楽しめましたって感じだが,これがもう1度続いたら本当に負けとなる。9月下旬のマックワールドエキスポ/パリでクリスマス商戦に間に合うかは微妙だが,そこがまた焼け野原になったら,もう来年は来ない。さて,パリは燃えているか?




 
[2001.07.24]
  明日来る悪魔


 ▼Code Redの脅威は消えず(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0107/23/e_codered.html


 表情はみえない。けれども,きっと笑っている。ほくそ笑んでいる。そういう存在だもの,悪魔とは。

 30万台ほどが感染しているワーム「コード・レッド」によるwhitehouse.govへの攻撃は失敗に終わったが,再び感染が拡大する危険がある。変種が登場しており,次の8月1日の感染拡大では,さらに大きな被害をもたらす可能性がある。システムをハッキングしてワームをふさぐパッチを流すべきだという意見もあるが,その危険性も指摘されている。

 悪魔はいつもこの世にはいない。悪魔はいつも,明日,来る存在だ。今日,今ここにいるのは,現実でしかない。現実は,もう悪意をもっていない。事実が進んでいくだけだ。予言,のなかにしかいない彼奴は,だから思いも寄らないことをしでかす。ZDNetの記事のなかの「対症療法よりも,予防措置」という言葉は,そんな奴への対応と云えば,せめて正しい。

 日本は金曜日が休みだったが,それだけで報道や危険に関する情報が遅れ,対応が遅いようだ。明らかに国内のサーバーからとわかるスキャンが見られる(多数感染しているということ)。もとはMSのIISの脆弱性だが,これほどの災いを生み出すと,パッチを当てれば済むこと…と受け流すのもためらわれる。コード・レッドの次,がなくても,まだ顔をみせていない悪魔,は潜んでいる。




 
[2001.07.23]
  フタの下のもの


 ▼著作権保護の“聖戦”に燃えるAdobe,DEF CON逮捕劇もその一環(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0107/19/e_adobe.html


 アドビの失敗は,フタの下の臭いものの存在をどんどん知らしめていること。自らの首を絞めているに過ぎないのに…。

 アドビ社の電子書籍ファイルの著作権保護技術を破るプログラムを公開していたセキュリティー研究者のドミトリー・スクリャロフ氏が,デジタルミレニアム著作権法違反で逮捕された。スクリャロフ氏は,『デフコン』ハッカー会議でアドビの電子書籍のセキュリティー問題を明らかにした研究論文を発表した。アドビ社は,この事件の捜査に関与したことを認めようとしていない。

 あ〜あ,やっちまったね,アドビは。開いてはいけない箱を開いて,そこにあるものは実はおおっぴらにしてはいけないものだ。ならば,静かに,穏便に話は進めなくてはいけない。すでに各方面から声はあがっているようだが,脆弱なセキュリティーを指摘する声の主を牢屋に送ることで,やっと保たれるセキュリティーとはなんだろうか? それで問題が解決するわけはなく,不義な結果を招くだけ。アドビは力をふるったつもりだろうが,その力は,あとで自分に返ってくる。愚かなことだ。

 電子書籍の普及しない理由は,ここいらのものも原因となっている。図書館がどうやって,1固定の機体からコピーできない書籍を所蔵して,万人に閲覧を許していけるだろうか? 本は水に濡れなければどこでも読むことができる究極の手軽さを持ちあわせているが,電子書籍はそのかけらでも持っているだろうか? 記事中にアドビの人間が云っているが「100%不正コピーを防止できるソフトは存在しない」。これは正しい。だが,臭いものにはフタといったカタチでフタをすると,フタの下の腐敗は進むだけでなく,加速していくんだったら。




 
[2001.07.21]
  天への道筋


 ▼ジョブズ、マックワールドで『OS X バージョン10.1』を披露(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20010719302.html


 天への道筋は,まだ最初の一歩しか進んでいない。先は遠く,来し方には戻れない。

 アップル社のスティーブ・ジョブズCEOは基調講演で,「マックOS Xの初めての大がかりなアップグレード」となるバージョン10.1を発表した。実際に触った感触から判断して,性能は確実に向上している。システム全体の反応がぐっとよくなったようだ。

 基調講演で,メニューの表示,ウインドウのリサイズ,アプリケーションの起動などを試していたが,確かに格段に速い(最速のマシンを使っていたとしても)。現在のマックOS Xは,なんとなくはれ物に触るように操作している感じがあり,それが解消されるのならうれしいことこの上ない。またWebDAVの実装など(Mac Fan netの記事)今後の利点となるものも多いわけで,ひとつひとつの進化をみていけるこの面白さはなかなか楽しい。9月の登場だそうだが,待ち遠し過ぎ。(アップル:OS X 10.1

 今日,エルゴソフト社のEGBRIDGE ver.12(過去記事)の正式版が届いたのでインストールしてみる。なんの問題も見当たらず,非常に心地よく使えている。英訳辞書や顔文字辞書などもやっと使えるようになってありがたい。とにかく,とことんOS Xの流儀に合わせてあることが,使いやすさに繋がっている。それによって,これほどいいソフトが作れるんだと感動。天への道筋は,まだまだ続く。(関係ないけど,今回発表のG4,エセ広告




 
[2001.07.20]
  舞台はパリへ


 ▼Macworld Conference & Expo/NewYork 2001基調講演レポート(Mac Fan net)
  http://macfannet.mycom.co.jp/special/mwce_ny2001/010719yenote_report.html


 たとえ発売が先だとしても,今ここで新しいiMacを出す意味はあった。今はまだ夏だが,年末のクリスマス商戦がそこにみえる。iBookへの早い出足に気を良くして,クリスマス準備は9月26日からのマックワールドエキスポ/パリで間に合うとみたか?

 マックワールドエキスポ/ニューヨークが,アップル社のCEOのスティーブ・ジョブズの基調講演で始まった。ジョブズ氏は,「10 on X」としてマックOS X対応アプリを10人のデベロッパーを招いて紹介した。そしてマックOS X 10.1を9月リリース予定と述べた。iMacはスピードアップがなされ,PowerMac G4は新筐体でスピードアップとデュアルプロセッサモデルの追加となった。

 ある意味では非常にふがいない発表となってしまった。iMacは,いまだにCRTを積み,色も真新しさがない。スピードアップはなされたが,新鮮味はかけらもない。G4も,至極真っ当なアップデートでしかなく,画像が流出していたのも大きな痛手となったか(過去記事)。まぁいつも通り,大きな期待は裏切られるということで…。

 その分,マックOS X絡みはそれなりに充実という感じ。Quark XPressとInDesignのそろい踏みはここはシーボルド会議ですか? というくらいにパブリッシングに関わるものの胸を捕らえたし,iDVD for OS Xはプロ向けだけでなく,コンシューマー向けのDVD作成でも明確な地位を示してみせた。ただまぁソフトウェアに関しては,使ってみなければわからないわけで,アップルのニュースリリースにある操作のレスポンスが「劇的に短縮され」たと云っても絵に描いた餅っぽい。結局,わずかなビルド・アップを報告するよりは,9月に大きく,という道をとったわけだが,さてさて,ハードにしてもソフトにしても,世間の流れはそんなまったりしたものを許すかどうか。なんにしても,そこが燃え尽きたら本当に終わってしまうパリが9月26日に待っている。気が早いけど,そこがOS X 10.1の発売と,iMacのリニューアル,PowerBook G4チタンのアップデート,そして,PDAへの想いも込めた舞台となる。




 
[2001.07.18]
  Big Appleは燃えているか


 ▼ニュースサイトが掲載した新型『G4』の写真は本物か?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20010717101.html


 アップルを敵に渡してはいけない。もし,敵の手中に渡すときは,アップルが廃虚になったときでなければならない。

 先週,MacOSX.orgに掲載された新しいPowerMac G4の写真について論争が繰り広げられている。他のサイトでは,この写真は偽物だとして非難している。

 今回のエキスポは,なにげに話題が多い。新しいiMac,PowerBookG4 チタンの改定,PowerMac G4の改定などが噂にあがり,OSについても,9.2(ムーンライト)や10.1(ピューマ)の登場も予想されている。MacOS Rumorsの最終予想では,OS 9.2の登場と,OS 10.05かもしれないがDVD-RやCD-Rドライバが支援されたマックOS Xアップデート,いろいろ疑問の声があがっているがフラットパネルの新iMac登場,そして1GBを搭載するかもしれない新しいPowerMac G4,iTunesのアップデート,iPictureというなんらかのサービス,ラックマウント式のサーバー用G4ハードウェア,そして確率は100万分の1だがアップルのPDA,500ドル以下の新しい液晶ディスプレイ登場などがあがっている。

 あまり期待が大きいと裏切られることも多いのでまぁ適当に期待しといた方がよさそうだが,状況はそれを許さない。PC業界全体の低迷の中,中途半端な施策ではアップルの船は沈む。マックOS Xの登場はプロモデルのマルチプロセッサ化を推進するだろうし,現行iMacをこれ以上生き延びさせるのは無理がある。大変革の場として,Big Appleは待っている。さて,ニューヨークは燃えているか? アップルは燃えているか? 基調講演は,18日(水)10時から(QuickTime LiveCast)。




 
[2001.07.17]
  選択の基準なき選択


 ▼Square comments on Nintendo(Game Spot)【英語】
  http://gamespot.com/gamespot/stories/news/0,10870,2784927,00.html


   もしFF11が,プレステ2でも,ゲームキューブでも,Xボックスでも,PCでもできるとなったら,どれを選ぶだろうか? そこに基準などない。なにもない。全然ない。せめて,優しい繋がりがあれば,それでいい。

 ファイナル・ファンタジー11をマルチ・コンソールで発売するよう計画しているスクウェア社は,特に任天堂社に対して強くコメントしている。これは,ロサンゼルス・タイムズ紙に同社の坂口氏が述べているもの。同作品は,ゲームキューブやXボックスなどすべてのコンソールで発売する必要があるとしている。

 スクウェアのラブ・コールを袖にしまくる任天堂という図式は相変わらずで,同等の話は,ぐるぐる温泉2でセガも行っているようだ(でじ端会議室の記事)。プレステ2とPCでの発売は決まっているFF11,残りの2つのコンソールにびくびくしている坂口の様が笑える記事だ。

 結果的に,オンラインゲームを進めるなかで,ゲーム機はただの箱になる。ソニーはプレステ2をインターネット・マシンにしたいようだが,誰もプレステ2でブラウジングをしようとは思ってない。任天堂はIPの導入さえノーといいそうな現状だし,なかなか話はうまく進まない。そこんところXボックスに期待大なのだが…。3つ並べてどれでも好きなの選んでいいよと云われたらどれでもよさそうな気もする新しいハード論争,やっぱり柔軟なネットワーク機能ぐらいしかメリットを作れなさそうだが,さて,キューブは,Xボックスは,どう動いてくるか?




 
[2001.07.16]
  真夏の嵐


 ▼Release Nears for Carbonized Toast 5 Titanium(Think Secret)【英語】
  http://www.thinksecret.com/


 真夏の嵐が,こもった空気を吹き飛ばす。宿り木を枝を叩き壊し,新しい秩序をつくる。

 ロクシオ社は,マックワールドエキスポ/ニューヨークでカーボン版のCD-Rオーサリングソフト「トースト5」を発表するかもしれない。この噂が本当であれば,数日後には発売される。

 iTunesによるCDライティングも可能になったことで,トーストのマックOS Xでの利用も近そうだ。いろいろなメーカーから外付けのDVD-Rも出てくる昨今(まぁマックユーザーにはピクセラのぐらいだが(MacWIRE ONLINEの記事))DVD-Rへのデータ焼きもこなすトーストは,活躍の機会が大きい。

 エキスポでのOS X用ソフトウェアのデモやプレゼンの予定は多い。また,先日のイベントで少しだけでたマクロメディアのフラッシュや(MacWIRE ONLINEの記事),シマンテックのノートン・ユーティリティなども動いているところがみられるのでは?と云われている。ハードも当然いろいろあるのだが,ソフトもみるべきものが多い。今回のエキスポは,真夏の嵐のように,ネタを振りまきそうだ。




 
[2001.07.14]
  愛の無い賽の投げ方


 ▼MicrosoftとPressplayが提携 - MSN Musicで音楽配信(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/07/13/50.html


 根本的になんの解決も見出せない流れ。ネットワークの哲学を知らない者たちの所作。本当に音楽を愛している者なら,音楽を聴くことができない者を作り出してしまう,こんな賽を投げるだろうか?

 ユニバーサルとソニーによる音楽配信事業,プレスプレイ(旧デュエット)は,マイクロソフト社のMSNミュージックと提携,ウインドウズメディアフォーマットでの楽曲提供を行う。これで,ワーナーミュージック,EMI,BMGとAOL社リアルネットワークス社ミュージックネットとの対決指向が強まった。

 ある意味では,マイクロソフトとAOLのコンテンツ事業の代理戦争,または,ウインドウズメディアとリアルのオーディオフォーマットの代理戦争と結びついて,わかりやすい対立形態がみえる。片や,プレスプレイ+マイクロソフト+ヤフー,片や,ミュージックネット+AOL+リアル+ナップスター。

 だが,ウインドウズメディアの採用は大きな欠点を持つことになる。メディアは,フォーマットをOSに限定してはいけないということだ。たとえばリナックス向けのプレイヤーをMSが提供しないとしたら,リナックスユーザーに音楽を聴かなくていいですと云ってるようなものになる。そういう頭の悪いことをせずにすむか? 果たしてMSがそこまで自分を捨てられるか? だが結局は,このような争いの無為なことを,世間に示すことでしかない。アーメン(・∀・)。




 
[2001.07.13]
  noble et ambiento


 ▼ハンドヘルドデバイスのPsion,コンシューマー市場から撤退(ZDII)
  http://www.zdnet.co.jp/zdii/dj/010712/zdii_dj_0712_02.html


 ノーブルなPDA。アンビエントな存在としてのPDA。凝縮するヨーロピアニズムは,すこぶる心地よい存在。今からでも遅くないかな,買いに行きますか(^_^)。

 ヨーロッパ最大のハンドヘルドデバイスメーカー,サイオン社は,コンシューマー市場からの撤退を発表した。市場の競争激化と,無線通信規格のブルートゥース普及の遅れが原因。今後は企業向けデバイスの開発を続ける。

 パームもこれまでよりビジネス市場重視の姿勢を打ち出している(ZDNet Newsの記事)。だが,コンシューマーに売れなかったからビジネス市場でというのは安易で,どこに市場があるのかは定かでない。100%,80%と成長を続けてきた市場は,今年は30%程度にとどまるという(日経マーケット・アクセスの記事)。どん底に近い中で,資本の弱いメーカーは暗中模索の状況となっている。

 その結果としての,サイオンの消滅は寂しいかぎり。キーボードをきちんと持ち,そのユーザーインターフェイスは独特ながら特異なもの,汎用性があり通信環境を支えるエポックOS,持つことの喜びを(パーム以上に)感じさせてくれるそのフォルム,消えてしまうにはあまりにも惜しい存在。業界全体の不況の現れの一端だけど,もたいな〜い。




 
[2001.07.12]
  携帯なんてもぉ要らない


 ▼TIMEX、Eメール受信もできるページャー機能付きリストウォッチ発売(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/07/11/13.html


 すべて,すべてに通信機能がつくのなら,電話である必要はさらさらない。進化しない携帯電話よりも,他のものの方がよっぽどおもしろい。というか,IP電話の機能をそれが持つのなら,携帯電話なんていらない。これが,数年後の通信環境の真実。

 米国の腕時計メーカー,タイメックス社米国ヤフー社からの情報やメールを受信できる腕時計を発売する。ページャー機能とともに,カスタマイズした情報が随時,送られてくる。

 日本の携帯電話は進んでいると云われるが,それでいてここ数年,デバイスとしての拡張や,洗練さは皆無だった。カラーになったり,次世代になって通信速度があがったなんてことではなく,使いやすいインターフェイスや独自な機能強化などなどの話。まっ,もともと競争がない機器なので,各メーカーとものんべんだらりと時期が来たら新製品をリリースしているに過ぎない。だから,あれこれ問題も立て続けに起きている(ZDNetモバイルの記事)。

 そう考えると,記事の腕時計はすこぶる良質な製品に思えてくる。もともと,すべてがIPに繋がれば,携帯電話を通信機器として持つ必要はなくなる。通話だって,IPで行えるし。データ部分も,独占しているダメダメさで,からきし使えないiモードのメニューなんかより,ヤフーのコンテンツで十分だ。腕時計は必要最低限のカタチがもうできあがっているから,デバイスとしても身体にフィットする。携帯なんて要らない世界は,すぐにやってくる。




 
[2001.07.11]
  シンデレラが舞台を降りて


 ▼G4 Cubeへのレクイエム(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0107/06/n_cubej.html


 ガラスの靴を履いたシンデレラは,憧れはするけど,実際にガラスの靴なんて履いたら歩くこともできないということか。でも,シンデレラは永遠に語り継がれる,永遠の憧れとして。

 アップル社は,パワーマックG4キューブの生産を中止すると正式発表した。ローエンドには価格が高すぎ,ハイエンドには拡張性が欠けていた。キューブの消滅にある驚きをあげると,あまりにもそれが早くやって来たことと,アップルのプレスリリースが「Apple puts Power Mac G4 Cube on ice」という賢い駄洒落を含んだものだったことだ。

 今でもショップなどでG4キューブをみかけると,思わずみとれてしまう。iMacの華やかさと対照的に,気品にあふれ,優雅さを醸し出している。ターゲットがとことん狭くて販売実績を作れなかったが,意味のあるマシンだった。たとえ生産中止になろうとも,キューブの宝石のような輝きは消えることはない。

 そして,舞台は新しい役者を迎え入れる。iMacの全面改訂(新筐体,500MHz〜700MHzのコードネーム「キバ」)=100%。パワーブックG4 チタニウム Rev.B(コンボドライブ搭載のコードネーム「オニックス」)登場=75%。パワーマックG4 筐体変更=15%。パワーマックG4 スピードアップ(デュアルプロセッサなど)=75%,てな予想だろうか>マックワールドエキスポ/ニューヨーク。パワーブック チタンとパワーマックG4の改訂は9月のシーボルド会議に回るかもしれないけど。マックOS X 10.1(コードネーム「ピューマ」)の発表は微妙なようだが,DVD再生機能の追加はそれに先行してあってもいいはず。キューブが消えても,ネタはいくつもあるようで,あと1週間,新しい舞台への楽しみは続く。




 
[2001.07.10]
  安値のココロ


 ▼ハードディスクメーカーの苦難は続く(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010707-1.html


 とことんの安値は,底なく続いていく。でもこれには,ただの消費量の増加,生産ラインの安定化によるものでない流れがある。ちょっとだけ危険な気持ちもするこの流れ,メーカーは乗り切っていけるだろうか?

 ハードディスクメーカーは,熾烈な競争と記憶容量の増加,パソコンの低価格化によって,利幅がわずかとなっている。家電市場へも拡張しているが,成長はそれほど大きくない。だが今後,ウインドウズXPの発売や,ハードディスク搭載ゲーム機の登場で,市場が牽引されると予想される。

 この傾向は,メモリにも云えるし,CPUにも云える。我が世の春を楽しんでいたAMDは,出荷量は上向きながらもインテルとの価格競争から大幅な業績悪化を発した(ZDIIの記事)。メモリについては,もうだいぶん前からこれ以上さがったら儲けなんかないと店員が嘆きながらも,さらにどんどこ下がり続けている。まぁ多少は下げ止まりが感じられるが(Impress AKIBA PC Hotline!の記事),それでも十分な下げ。

 ユーザーにとってはどれも嬉しいことだし,1MBを買うことができた価格で,100MBを買えるようになることは,確実な技術の進歩の証だ。だが,この微妙な感覚はなんだろう? パソコン自体の価格も下がり,なんとか薄利多売の流れになればと思っても,行き渡るところには行き渡ってしまった感じもする。なんか,どん詰まりになっているような。メーカーさんは,大変ですなぁ。




 
[2001.07.09]
  「存在」すべきワイヤードへ,未来へ


 ▼「ミュー」が導く未来はどこに(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0107/06/e_goodwins.html


 ■そして,クレジットカードナンバー・ジェネレーターのように,私の存在を偽る存在も現れる。■そんなことは当然のことで,最初から私はひとりぢゃない。偽りの存在,疑似の存在も含めて,私は生き続ける。

 日立製作所社が開発した0.4ミリ角のチップ「ミュー」は,現在の社会を大きく変える可能性を秘めている。ミューチップはあらゆるものに折り込まれ,貨幣などの偽造を防ぎ,そのものの位置を確認できるようになる。私たち自身もネットワークに存在することになり,その新しい世界で生きることになるのかもしれない。

 ■私たちは,常に「見られる」ことを欲している部分がある。ナルシストとかそんな話ではなく,常に誰かに求められることを望んでいる。ピアトゥピアはその意味で,人が望む最終形態のものだ。■ワイヤード上に「存在する」ということは,意外と簡単だ。東京ドームに5万人が集まってても,誰もあなたを見てはいないが,2chに書き込みをすれば,数万人が必ずそれを読む。そこにあなたは存在する。

 ■ピアトゥピアとは,個々が固定のIPアドレスを所有している世界だ。これは,あなたの氏名,住所,年齢などよりも,より明確であり,確証となる。■そして,あなたの所有物もすべてIPアドレスを保持する。アドレスは物質であることの証明だ。■だがこれは,管理社会のはじまりではない。誰が私の持っているジャックナイフを管理したがるだろうか? これまで国家が行ってきた管理を,ワイヤードに棲む神,の,ようなものにゆだねる必要がある。いや,それ以外に,管理できるものなど,いないのだ。




 
[2001.07.08]
  ボタン掛け違いのままエキスポ


 ▼MacUser誌,AdobeのExpo不参加はAppleとの緊張関係が原因と報道 (MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0107/03/n_adobej.html


 かなり注目を集めることが予想されるエキスポに,不参加を決めたアドビ。なんらかの政治的な意図も伝えられる。ボタンを掛け違えたような,微妙な後味を残しながら,エキスポが来る。

 アドビ社は,経済の低迷を理由にマックワールドエキスポ/ニューヨークへの不参加を表明している。しかし,アドビの財務状態は他社より健全であり,マックOS Xバージョンの製品開発で,アップル社とアドビの間に緊張があるのが原因と伝えられる。情報筋は,OS XやそのAPIの安定性について両社に意見の不一致があるという。

 アドビは,OS X版のアクロバット・リーダーを配付しているが,これがまたインストーラーはクラシック動作だったりする(しかもどうも途中でエラーが出て,インストールできない(T_T私だけですか?)。皆が待ち望んでいるにも関わらず,フォトショップやイラストレーターなどのOS X版のリリース時期についてさっぱり口にせず,そりゃこんな時期にエキスポがあっても,なにも展示するものはなさそうだ。

 現在のフォトショップをOS X版にカーボン化した場合,かなりストレスのたまる動作になることは想像できる。OS Xのフォント環境などで協力がはかられてきたアップルとアドビだが,ひょんなところで不一致をみているようだ。だが,先日のEGBRIDGEの件のように(過去記事),よいものをつくろうとしたらOS Xに合わせた変更は必要になる。フォトショップなどはあまりにも巨大なアプリケーションだが,全体的なコードを見直す機会ともなる。新しいiMac,パワーマックG4とパワーブックチタンのアップデート,そして数多くのOS Xアプリケーションが発表となるマックワールドエキスポまで,あと10日。




 
[2001.07.06]
  僕のナレッジナビゲーター


 ▼自然言語を理解するサーチエンジン「Albert」のデモが公開される(Impreess INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0705/albert.htm


 ネットワーク上にいる,僕のナレッジナビゲーター。幾億の知識を携え,的確に答えと指示を与えてくれる。夢見る機械,と,僕たちは彼を認識する。

 インターフェイス技術を開発しているアルバート社が,自然言語を理解するサーチエンジン「アルバート」のデモを公開した。アルバートは,ファスト・サーチ&トランスファー社のサーチエンジンを使い,結果を表示する。日本語はまだ使えないが,英語では十分役に立ちそうだ。

 つまりこれ,機械的な検索エンジンに,人間の言葉が通るようにインターフェイスを改良したもの,と捉えられる。人間は端末にナレッジナビゲータ(過去記事)を求め,気軽に話しかけ,その言葉を理解し,それによって作業を滞りなく進めてくれることを希求する。パーソナルコンピューターは,どのような紆余曲折があろうとも,そんなインターフェイスが理想としてあり,進化していく。ワイヤード自体も,そのようなインターフェイスを望んでいる。

 ようはインターフェイスなのだ。行える作業ができたら,あとは人間にそぐうインターフェイスが作られればいい。こちらの反応を受け止めたり,その言葉を理解したり,そういうギミックを取り入れながら,より理想のナレッジナビゲータが誕生していく。アルバートも,「何か」もその過程なのだ。




 
[2001.07.05]
  絵心,人心


 ▼フィルターをかいくぐるポルノ画像(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010704-1.html


 画像に結びついている人の心を探し出せるか? 機械がまだ信用ならないなら,それを探し出すしかない。

 グーグル社が画像用のサーチエンジンを開始したが,ポルノフィルターがあまり働かず,性的でないキーワードでもポルノ画像が並ぶことがある。ポルノ画像を取り除く方法は3つあり,画像のファイル名や画像掲載ページ内の言葉でフィルター,URLでフィルター,画像を解析して肌や体の線を感知してフィルター,となるが,どれも完璧なものではない。

 グーグルのテキスト検索がなぜ使いやすいかというと,人間の見方を取り入れているからだ。すなわち,METAタグとかページ内の言葉などの_ウソかもしれない情報_に惑わされず,その言葉でリンクされていることを優先する,いわゆるページランクシステムが特徴となっている(参考:Google の秘密 - PageRank 徹底解説)。多くの人が「アップル社」とリンクされていれば,それを重視して認識する。逆に云うとみんなが「アップル社」とするとそれを信じてしまうわけだが,まぁそんなことをする人はそんなに多くはいない。機械にだけまかせるのはいまいち信用ならんとなった結果,リンクをしているのは人間なわけで,その視点を活用している。だから,人間の視点での検索結果が優先される。だが,画像サーチでは,そんな人間の視点を取り入れる術をみつけていないので,まぁ記事のような問題が起きている,テキストでは優秀な結果を出しているグーグルでも,ということ。

 試しに検索してみよう(フィルターなしで)。言葉は「lain」で(^_^)。グーグルの結果では,ポルノ画像はなく,4000ほどヒットする。まぁ7割くらいは思い通りのlain画像。ちょっとゴミが多いかな。ネイバーの結果では,まぁ半分はあってるけどイカンセン6個しかヒットしない。で,ライコスの結果では,あらびっくりいきなりエロ画像登場(^_^;)。でもまぁ4600ほどがヒットし,エロ画像もちょくちょくあるけど,グーグルより精度は高いかも。やっぱり,なにか人の意見や意思を読み取れるシステムを作らないことには(いや作ってもかもしれないが),やっぱり100%判別するとこは不可能。ページランクに匹敵するなにか,を探すことになるのかも。




 
[2001.07.04]
  先生,質問です


 ▼ネット体験にまさる教師なし(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20010702205.html


 先生,質問です。なにを,答えてくれますか?

 都市部学校テクノロジー学習センターで,教師がテクノロジーを活用した授業カリキュラムを開発している。子どものやる気を起こさせるのにテクノロジーは格好の手段となる。与えられた課題に対して生徒は,ソフトウェアやインターネットを使って調べる。だが,新しいテクノロジーを取り入れるのが苦手な先生もいる。

 すべての知の集積場であるワイヤードは,学ぶ意を持つ者をすべて受け入れる。そして,その者の新たな知を集積していく。学問は学科の数だけに限らず,知識は書籍の数だけではない。猥雑な情報も多いが,人間の中にあるものはすべて知として,ワイヤードに流れ込む。そう考えれば,人間の心が,ワイヤードの鏡に映っている意味がわかる。

 幾億の人の知があり,幾億の数式と,幾億のテキストが渦巻いている。すべての人が,自由にすべてを学ぶことができる。習うこともできる。そう,教師から習い,父親から学ぶように,すべてを。自らの意志に沿うままに,その流れの中に飛び込めばいい。決して答えがあるとは云えないが(世界には答えのないことの方が多い),ワイヤードは受け入れ,そして新しい知を与える。




 
[2001.07.03]
  音楽の嫌な臭い取ります


 ▼著作権・音楽の目的とは何か〜米EFFが新ライセンス形式で問題を提起(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/0702/eff.htm


 腐敗臭にまみれる音楽のマ・ワ・リ。その嫌な臭いを,取り除こう!

 電子フロンティア財団(EFF)が,音楽の楽曲を配付するための新しいライセンス「オープン・オーディオ・ライセンス」を公開している。このライセンスでは,配付する楽曲について許可を得ることなくコピー・配布・利用・演奏してもよい代わりに“必ず作者を明記すること”を要求する。

 無料で自分のラジオ局が作れるlive365.comを,利用する際に知っておかなければいけない,デジタルミレニアム著作権法の条項をあげておく(SHOUTcastでの放送も同じ)。そのラジオは,対話型のサービスであってはならない。聴いている人からこの曲を流してと云われて1時間以内にそれを放送するようなのは禁止。3時間以内に,1枚のCDから3曲以上流してはいけない。また同じアーティストの曲を4曲以上流してはいけない。放送する曲のプログラムガイドを公開したり,事前に特定の曲が流れるよと宣伝してはいけない。云々云々。

 これはもちろん米国の楽曲に適応される(日本の楽曲についてはじゃすらくに逝ってください)。ただ,考えてみよう。同じ音楽で,上記のような条件でのストリーミングが認められている世界と,そうでない世界があるのはなぜだろう? 自分の買ったCDを利用するのに,さらに金銭を要求されるというのはどういうことだろう? テープに録音して友人に渡すのは誰も止めなくても,MP3には噛み付いてくる人たちの意図はなんだろう? もし,賢いアーティストがオープン・オーディオ・ライセンスの素晴らしい楽曲を作ったとしたときに,私たちは躍起になってナップスターでその曲を探し回るだろうか? …そう,音楽は腐っている。いや,音楽の周りにいる金のことしか考えられない者たちによってぼろぼろに腐っている。私たちは明確に,権利を有する者との関係の中で,音楽を使うことを欲する。あいだに入っている,こそ泥のような連中は無視していい。音楽について,1から考え直そう。(I'm writing in response to the influence of LYCHEE SOUNDS,MIDIに対する課金について→2ch研究 6/26)(MIDIについての過去記事




 
[2001.07.02]
  命あるソフト


 ▼「EGBRIDGE Ver.12 for Mac OS X 体験版」を公開(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0107/02/q_soft.html


 カーボン化しただけでは,まかないきれないものがある。伴う作業は格段に大きくなるが,よいものを作るために避けられない。よいコードにこそ,命は宿る。

 エルゴソフト社からマックOS X用の入力プログラム「EGBRIDGE Ver.12 for Mac OS X 体験版」がリリースされている。製品版は7月27日発売。

 3月に出した試用版まではカーボンアプリだったのに,今回の体験版(製品版も)からココアアプリになったとのこと。素晴らしい。クイックタイム・プレイヤーやiTunesなど,おしなべてそうだが,カーボンアプリはインターフェイス面でまごつきが目立ち,全体的に操作感が損なわれている(もちろんiCabミント・オーディオなどのように,もともと洗練されていると不足ないのだが)。で,実際にココア化されたEGBRIDGEを使ってみると,試用版に比べて非常に違和感がない。ことえりよりも,変換効率がよいのは当然として,動作も機敏に感じるが…。

 OS9で使っているユーザー辞書をきちんと変換してくれたり,一部のソフト(ARENAなど)でバックスペースを使うと入力箇所が飛んでしまうバグも改善されている。類義語変換(pic)や使い分け情報(pic)も小気味よく動いておりいい感じ。手書き文字検索(pic)も不足なく動いている。賢い賢い。発売までに時間をおいて,よい改良を行っているのがみて取れる。たくさんの会社が,ソフトのOS X移行を考えているだろうが,必要なことを見極め,ひとつひとつ実行していく姿勢があれば,よいものはでき上がるという証明,かもしれない。




 
[2001.07.01]
  想い出の風景


 ▼あのネットスケープはいま(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/010629-4.html


 想い出の風景,あれと,これ,と。

 ネットスケープ社は,ブラウザ「ナビゲーター」でマイクロソフト社のデスクトップ支配を突き崩そうとし,だが数年で活力を奪われ,マイクロソフト社の反トラスト法裁判の材料としてしか顧みられない存在となった。ネットスケープのブラウザーはもはや主流ではなく,AOLに買収されて企業としても存在していない。

 想い出の風景というのは,誰にでもあるものだ。何気ない風景なのに,なぜか脳裏に焼き付いているような。…子供のとき,雪の敷き詰められた中を友人と歩いていた。なにが原因だったかわからないが,いさかいがあって,ポツンポツンと離れて,その雪の上を歩いていた。遠くまで続く白一色の世界,空にただ鉛色が広がり,離れたところにいる友人が歩いてくる。ただ,それだけの風景。なのに,ズキズキする心とともに目を閉じれば,あの風景が蘇る。

 640x400ピクセルの14インチディスプレイ,航路をつかさどる舵が周り,天空の星が回る(過去記事)。ゆったりとした波に揺られるかのように,うっかり眠りについてしまい,目覚めるとやっとウェブサイトが表示されているようなままならない速度の中にいたが,ナビゲーターがなければ,なにも始まらなかった。その,風景。…AOLに買収され,すでにナビゲーターのコードを書いていた者は誰もいない。今となっては夢かと思う風景だったが,あの日に始まったネットスケープ・タイムは今も流れ続け,胸の中にあの日の風景が刻まれている。いや,ネットスケープは想い出じゃない,精神の主柱なのかもしれない。




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